岑白は即座に笑って言った。「彼女は私にあなたに言わないでって言ったんだけど、あなたが聞いてきたから話すわ。心配しないように」
薛夕は「……彼女は何をしたの?」
岑白はため息をついて言った。「彼女は女性アイドルグループのオーディションに参加して、今は練習期間中なの。多分、入ってから3ヶ月間は携帯に触れないってことを知らなかったんじゃないかな。だからあなたに隠していたんだと思う」
薛夕:??
彼女は少し呆然として、すぐに尋ねた。「女性アイドルグループのオーディションって何?」
岑白は説明した。「『最も美しい女の子』というバラエティ番組よ。100人の女の子を選んで、3ヶ月間の競争と練習を経て、最終的に9人のメンバーがデビューして女性アイドルグループを結成するの。彼女は最初、試してみようという気持ちで行ったんだけど、予想外に一次審査を通過して招待されたの」
薛夕:「…………」
秦爽は芸能界に進もうとしているから、これに参加するのも当然だった。
薛夕は少し間を置いて「じゃあ、彼女は……デビューできるの?」
この言葉は、まだ慣れていない様子だった。
岑白は笑って言った。「難しいね。他の人たちは芸能事務所がキャラクター作りや宣伝、話題作りを手伝ってくれるけど、秦爽は個人練習生として参加したから、おそらく第一ラウンドで落とされるだろうね」
薛夕は「ああ」と言って安心した。
彼女は介入するつもりはなかった。岑白は芸能界にいるから、きっと自分よりこの分野のことをよく知っているはず。おしゃべりさんが無事なら良かった。
この数日間ずっと連絡が取れなくて、おしゃべりさんの安全が心配だった。
岑白は笑って言った。「安心して、彼女は大丈夫だから」
薛夕:「うん、じゃあ彼女のことを頼むわ」
「ああ」
二人が話をしている時、また道端でチラシを配る人がいて、彼女を見るとすぐに彼女のカバンに押し込んできた。
薛夕:?
彼女は少し驚いて、チラシを取り出して見てみると、「ダンス部新入部員募集中」と書かれていて、ダンスを習いたい方は電話番号XXXまでご連絡くださいと、電話番号が記載されていた。
薛夕:「…………」
これは一体何なんだろう。しかも、この電話番号どこかで見たような?