劉昭はその言葉を聞いて、呆然としてしまった。
薛夕がこんなに強気に出るとは思いもよらなかった。我に返った時、喜びが込み上げてきた。彼女のこの態度は間違いなく德利教授の機嫌を損ねるだろう。
德利教授が郭先生が華夏大學から解雇されたことを知らないはずがない。その理由も知らないはずがない。それなのに、まるで知らないふりをして郭先生をスカンフォードに招聘しようとしている。
今、薛夕があんなに堂々と話しかけに行けば、德利教授は面子を失うことになる。この交換留学の枠は彼女のものにはならないはずだ!
そう考えながら、劉昭はその方向に二、三歩進んだ。前に出すぎず、かといって遠すぎて会話が聞こえなくならない距離を保った。
薛夕が席を立って後ろに向かおうとした時、張昊がトイレに行くふりをして薛夕の前に立ちはだかり、通路を塞いだ。彼は声を潜めて言った。「夕さん、彼女と争わないで!完全にあなたを挑発しているだけですよ!」