第507章 私はあなたに目をつけた

宋くんは、今回の訪問は絶対に失敗に終わると思った。

彼らがここに来たのは、トール教授に一言言ってもらうためだった。この件は本来トール教授とは関係のないことだったので、訪問すること自体が無礼だった。それなのに、お嬢様は待つことすら嫌がっているようで……

そう考えていた時、どうやって埋め合わせようかと必死に考えていると、執事が慌てて言った。「お待ちしておりました。教授はずっとお待ちです。どうぞお入りください」

宋くん:??

彼女は自分の英語が間違っているか、それとも頭が働いていないのかと思った。今の執事の言葉は、お嬢様を待ち望んでいたという意味なのか?

彼女が呆然としている間、薛夕が振り返って彼女を見た。その一瞥で宋くんは我に返り、急いで口を開いた。「すぐに薛社長をお呼びします」