小柄な方方が現れた。
彼女は黒い服を着て、パーカーのフードを被り、まるで暗闇から現れたかのように、あるいは空間を裂いて出てきたかのように、薛夕の背後に立っていた。
彼女の顔立ちは薄く、まるで消えてしまいそうなほどだった。
薛夕が振り向いた瞬間、彼女は薛夕の襟を掴み、壁に押し付け、もう一方の手で短刀を取り出して突き刺そうとした!
薛夕は瞳を縮め、足を曲げて方方の腹を蹴った。その強い力で、方方は二歩後退した。
しかし体勢を立て直すと、再び前進し、冷たい眼差しで、頑固で強情な様子を見せた!
薛夕は眉をひそめた。
言葉の少ない二人が対峙すれば、結果はただ一つ、戦うしかない!
薛夕は体を横に傾け、方方の腕を掴んで一気に投げ技を決め、見事に相手を地面に叩きつけた。
方方は地面に倒れた瞬間、足で地面を蹴って素早く体を回転させ、地面から跳ね上がり、再び短刀を持って薛夕に向かってきた。