第561章 私は好きなように書きたい

彼女が透明人間だと知っていたとはいえ、寮にこうして堂々と現れるのは、薛夕にはまだ慣れなかった。

少し間を置いて、彼女は口を開いた。「必要ないわ」

ボブヘアの静かな方方は頭を下げた。「はい」

無口な二人が出会うと、一時的に気まずい雰囲気になった。方方は静かに彼女を見つめ、痩せて小柄な体で隅に立ち、人形のように大人しく賢かった。

薛夕から話しかけた。「しばらく学校に来ないで。明日、于達に会ってみるから」

方方は「分かりました。じゃあ、行きます」と言った。

言葉が終わるや否や、彼女の姿が薄くなり始め、最後には透明になった。ドアが開いて閉まると、方方は去っていた。

薛夕は「…………」

静かにため息をついた。

しばらくして、またドアが開いた。薛夕は方方が戻ってきたのかと思い、「何か用?」と尋ねた。