第632話 悪人が先に告げ口をする

馮省身が来る前、李漫という男子学生は既に目を赤くし、袖をまくり上げて殴りかかろうとしていた。

彼は李學凱とプロジェクトの将来を心配していたところで、「自分たちが無能すぎるんだ」と言った直後、彼らを裏切って李學磊のプロジェクトを選んだ劉秀が、たまたま箱を持って通りかかり、その言葉を聞いて即座に口を開いた。「お前が無能なのは確かだな」

李漫:?

劉秀は箱を隣のテーブルに置き、彼の席を見つめながら言った。「人は己を知るべきだ。まだ卒業もしていない学生が光源機の研究なんてしようとするなんて、分不相応すぎる!華夏にはこれまで多くの教授がいたはずだ。彼らがこの研究に手を出さなかったということは、このプロジェクトがいかに難しいかを物語っているんだ!お前がここに残って何になるというんだ?」

李漫は怒って答えた。「余計なお世話だ!」

劉秀は手にした箱を突然、彼のデスクの上に置き、それだけでなく、李漫が机の上に置いていた資料を軽く払いのけた。資料は一瞬にして床に散乱した。

李漫は怒鳴った。「何をする!」

劉秀は言った。「悪いけど、このデスクは私が使うから、他を探してくれる?」

李漫:?

彼は立ち上がって即座に言い返した。「これは俺のデスクだ。場所を借りるなら空いている席を使えばいいだろう。これだけ場所があるのに、足りないのか?」

劉秀は嘲笑した。「足りないわけじゃない。ただ、私はお前のこのデスクが気に入ったんだ。早く退けよ、仕事を始めるから!」

李漫は冷笑した。「嫌だ」

劉秀は皮肉を込めて言った。「一番いい場所を占領しておきながら、仕事もせずに毎日ここで他人が研究を手伝ってくれるのを待っている。お前のそういう行為を何というか知ってるか?」

傍らで一緒に来ていた学生の一人が相槌を打って聞いた。「何っていうの?」

「便所を占領して用を足さないってことだ!」

「ハハハハハハ!」

全員が遠慮なく大笑いし始め、李漫は顔を真っ赤にして我慢していた。彼は拳を握りしめ、劉秀を睨みつけた。「くそっ...」

後の言葉は言い終わらないまま、拳を振り上げて劉秀に制裁を加えようとした。

みな血気盛んな年頃で、こんな風に侮辱されては、絶対に我慢できない。