彼の様子を見て、ニコラス・シュウは思わず笑って言った。「何を言い出せないことがあるんだ?まさか向が超能力者を連れて、彼女のプロジェクトを手伝いに行ったとでも?そんなバカげたことは…向はそんな人じゃない…」
そこまで言ったところで、部下が口を開いた。「はい、行きました。」
ニコラス・シュウ:「…………」
トールと德利教授も呆然とした:「…………」
二人は呆然と座ったまま、困惑して尋ねた:「本当なのか?」
部下:「本当です。彼は京都に戻って、この件を聞いた後、配下の機械手数名を連れて華夏大學に向かいました。」
トールと德利は同時に背筋を伸ばした。
ニコラス・シュウは驚愕した:「向は狂ったのか?超能力者に研究をさせるだなんて?」
トールと德利も信じられない様子で顔を見合わせた。
研究は神聖で、最も偉大なものだ。しかし多くの実業家は研究者を軽視し、多くの研究者さえも夢を諦めて実業の道を選んでいる。
彼ら二人のような地位にある者でさえ、多くの無力感を感じることがある。
そして超能力者の出現は、彼らの上に立つ存在であり、国を守る存在だ。世界における超能力者の割合は極めて少なく、一人一人が彼らに相応しい位置に配置されている。
特に機械手は、このような科学技術が発達した今日において、非常に有用だ!
例えば地雷原のような、非常に危険な地雷も、彼らが行けば、完璧に無傷で処理できる。
このような人材は本来でさえ少ないのに、今は研究に従事させる?
ニコラスが驚くのも無理はない。二人でさえ人材の無駄遣いだと感じていた!
部屋が静まり返った後、ニコラスはようやく尋ねた:「向が彼らを強制したのか?」
どの国にも、超能力者組織がある。
華夏では、それは特殊部門と呼ばれている。
しかしM国では、超能力者組織はニコラスが統制しており、異能連盟と名付けられている。
連盟の中で、ニコラスは実力で他の者たちを従わせ、言うことを聞かせているが、M国は個人主義が強く、あの連中を完全に従わせるのは難しい。
結局のところ、ニコラスが常に彼らを管理することはできないのだ。
一方、華夏の特殊部門は、軍事的な管理体制だと聞いている。しかしそれでも、超能力者に私事を手伝わせるのは、きっと心中穏やかではないだろう?
部下が答えた:「それは、おそらくそうでしょう。」