寝室に入ると、向淮は薛夕を自分の体から降ろそうと必死にもがいたが、残念ながら、この子猫は完全に甘えん坊猫の粘り強さを見せつけ、どうしても降りようとしなかった。
向淮が何とか彼女の四肢を引き離し、服を着替えようと振り向いた時、少女は再び後ろから抱きついてきた。
向淮が深く息を吸い、何か言おうとした時、突然携帯の着信音が鳴り響いた。
向淮はその時気づいた。二人の争いの間に、携帯がベッドの上に落ちていたことに。
気にせず、適当に取り上げて通話ボタンを押した。「もしもし。」
一言を言い終わるか終わらないかのうちに、小さな恋人がまた甘えてきたので、向淮は思わず携帯を離し、優しく諭すように言った。「夕夕、いい子だから、服を着替えてくれない?」
仕方がない、小さな恋人が車の中で騒いでいた時に、うっかり買ってあげたミルクティーをこぼしてしまい、今は服全体にミルクティーの跡がついていた。