第711話 口が利けない

方怡は特殊部門のp10で、現在担当している事件は全て大きな事件ばかりで、このような小さな事件について尋ねるのは久しぶりだった。

この時、彼女がそのように尋ねても、鄭直は特に不適切だとは感じなかった。方怡は特殊部門で特別な立場にあるのだから。

鄭直は最近、自分が突然話せなくなった出来事について方怡に話した。子供の頃から守ると誓った姉に対して、彼は深い信頼を寄せており、真剣な表情で言った。「超能力者というのはそういうものだ。自分が他人と違うと思い込んで、異能を使って人をもてあそぶ。正規の訓練を受けておらず、心が曲がった超能力者を外に放置しておくのは危険だ!」

鄭直は一般人を見下していて、自分が異能を持っているという優越感があったが、法律を守らない超能力者はもっと軽蔑していた。

なぜなら、異能を使って一般人をいじめることなど、何の能力でもないと思っていたからだ。

強い者であればあるほど、法律を守るべきだ!

方怡は鄭直の態度を見て、何も言わず、彼の後ろについて尋問室の方へ向かった。

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撮影現場の関係者たちは既に連行されており、現在、別々に取り調べを受けていた。

秦爽を告発したのは、このドラマの主演俳優である閆志峰だった。彼は二線級の俳優で、今をときめくイケメン俳優だ。見た目は優秀だが、その目つきには嫌悪感を抱かせるものがあった。

現在、彼は尋問室に座り、興奮した様子で話していた。「警官、必ず私を助けてください!秦爽は間違いなく妖法を使っています!あの人たちが話せなくなったのは、絶対に彼女の仕業です!」

景飛は足を組んで、ペンをくわえながら不真面目な態度で座り、その言葉を聞いて顔を上げて彼を見た。「なぜそう思うんですか?」

撮影現場で突然三人が話せなくなった事件は、監督の注目を集めた。最初は病気だと思われたが、病院で検査を受けても、そうではないことが判明した。

そしてその時、閆志峰が飛び出してきて、秦爽を指差して彼女の仕業だと言い、直接警察に通報した。

警察が到着後、異常を感じ取り、特殊警察部の景飛のところに案件が回ってきた。