向淮の口から全能スーパースター先生についての情報を聞いた後、薛夕は先生に対してさらに敬服するようになった。
先生は本当に凄い。
そう思いながら、薛夕と向淮は警察署を出た。玄関を出るとすぐに、大勢の記者が景飛にインタビューしている様子が目に入った。
景飛の回答は公式的で、重要な部分を避けて軽く流そうとしていた。
ここは特殊部門とはいえ、表向きは警察署なので、記者たちもあまり無礼な振る舞いはできず、景飛が数問に答えた後、記者たちは次々と後退し、もう取り囲むことはなかった。
この件が終わりそうで、記者たちも重要な情報を得られそうにないと思った時、突然遠くから足音が聞こえてきた。
記者たちは理性的だが、ファンたちは理性的ではない。
閆志峰は最近人気で、アイドルドラマの主演を務めたばかりで、今や天下を二分するほどの人気者だった。
そのため、閆志峰のニュースが出た後、ファンたちが駆けつけ、今では50〜60人ほどの自発的な集団が近づいてきていた。
ファンたちは横断幕を掲げ、そこには「秦爽は芸能界から出ていけ!」という文字が書かれていた。
先ほど景飛に退かされた記者たちは、すぐに目を輝かせ、ファンたちの写真を撮り始め、ライブ配信を始めた記者もいて、ここでの出来事をリアルタイムで報道していた:「……視聴者の皆様、こんばんは。ここは秦爽がいる場所です。閆志峰のファンたちが怒りを露わにし、自発的にデモを行い、秦爽を排斥しています。私の知る限り、これらの人々だけでなく、現在ネット上でも大規模な行動が行われており、閆志峰の数千万人のファンが全員、秦爽が代言している製品をボイコットし、状況は白熱化しています……」
記者たちが報道する一方で、閆志峰のファンたちも叫んでいた:「芸能界の毒瘤を厳しく処罰しなければならない!兄さんの潔白を証明して!」
「兄さんを汚そうなんて、夢のまた夢よ、恥知らず!」
ネット上でも非難の声が溢れていた:
——秦爽は誰かが人気者になると必ずその人気にあやかろうとするのが分かった。オーディション番組に出た時も、岑白の人気に必死にしがみついて、岑白のファンたちまで出てきたけど、後に岑白が資本家の前に頭を下げ、ファンたちを制御してようやく秦爽が突然人気になった。