第730章 良策

三人が拘束されて話せなくなり、秦爽が自分の沈黙術を解除できなくなって以来、彼女は沈黙術を使うのを恐れるようになった。

他人を傷つけることを恐れていたのだ。

しかし閆志峰が彼女のアイドル、彼女の夫を攻撃するなんて、それは許せない！

秦爽は叫んだ後、閆志峰が話せないように、しっかりと口を閉じた。

傍らで、景飛も呆然としていた。「また、また異能を使ったのか？これで四人も話せなくなったら、罪はもっと重くなるぞ！」

岑白も焦って声を上げた。「爽ちゃん！」

彼はやはり油断していた。

たとえ自分が閆志峰の言葉を気にしなくても、自分の名誉や面子を自分以上に気にする人がいることを忘れていた。爽ちゃんにとって、自分が彼女自身よりも大切な存在だということを忘れていた。

こうなることがわかっていれば、さっき自分が手を出すべきだった！そうすれば、爽ちゃんは手を出さなかっただろう？

岑白が後悔している時、秦爽も気づいた。今の彼女の異能は、使用後は自分が話しかけても解除できないのだ。

だから、彼女は直接景飛に言った。「三人が話せないのと、四人が話せないのと、何が違うの？この人は口が悪いから、一生話せないようにしてやるべきよ！」

しかし秦爽がそう言い終わった後、閆志峰は呆然として、喉を押さえながら叫んだ。「俺は一生話せなくなるのか？」

その声が出た瞬間、その場にいた全員が驚いて、閆志峰を見つめた。

さっき秦爽は沈黙術を使ったはずなのに？

閆志峰はさっき沈黙させられたはずなのに？どうして今話せるんだ？

景飛は閆志峰を見て、また秦爽を見て、尋ねた。「どうやって沈黙術を解いたんだ？」

秦爽は呆然としていた。「私、わからないわ……」

以前は、異能を使う時、彼女が話さなければ、相手は沈黙状態のままだった。しかし一度秦爽が口を開くと、異能が解除され、相手も話せるようになった。

でもあの三人が話せなくなった後、秦爽は自分の異能を解除する方法が効かなくなったと思い込み、それ以来使うのを恐れていた。

さっきも怒りに任せて使ってしまっただけで……

でも、どうして治ったの？

みんなが呆然としている間に、閆志峰は飛び上がって、自分の弁護士の後ろに隠れ、秦爽を指さして景飛に言った。「警官、見ましたか？彼女は妖法を使います、妖法を！早く彼女を逮捕してください！」