第746話 命を救え!!

傅元修は一瞬固まり、錢箏の視線の先を追うと、自分の血の付いたハンカチが目に入った。

次の瞬間、急いでハンカチを隠し、何か言おうとした時、また激しい咳が込み上げてきた。「ゴホッ、ゴホッ……」

傅元修は必死にこの咳を抑えようとしたが、抑えれば抑えるほど苦しくなり、喉の奥の甘い腥い感覚がますます強くなった。突然、もう抑えきれなくなり、彼は大きく口を開け、血を吐き出してしまった!

血を吐き出した時、彼は反射的に顔を横に向け、錢箏を避けた。そして、目の前が真っ暗になり、そのまま気を失ってしまった。

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病院にて。

錢箏は傅元修の服を身に纏い、虚ろな目で前方を見つめていた。

先ほど医師が話した言葉が、全て耳に残っていた。

肺がん末期。

肺がん末期。

彼女は思わず顔を覆った。どうして元ちゃんを信じなかったのだろう、本当に怒って出て行ってしまったのだろうか?もし途中で我慢できずに薛夕に電話して泣いていなければ、薛夕に何かあれば直接話し合うように言われなければ、車を戻すことはなかっただろう。そうしたら、傅元修が一人寂しく立っている姿も、彼が血を吐く場面も見ることはなかっただろう。