超能力……
薛夕は眉をひそめた。
彼女はもともと景飛が言っていた、一つの名前だけで人を誘惑できるものが何なのか理解していなかったが、今、この太った男の答えを聞いて、突然理解した。
実際、異能も超能力も、ただの名前に過ぎない。
しかし異能は、ただ人と違うということを示すだけだが、超能力は、根本的に人を超越していることを示している!
超能力者自身には優越感がある。特殊部門は皆に能力が大きければ大きいほど、責任も大きくなり、この能力を使って国を守り、人々を守ることは栄光だと思わせている。
しかし超能力は……人を自己中心的にさせる!
考えてみてほしい、時間を停止する異能を持つ劉韜は、時間を止めさえすれば、何でも思いのままにできる。人々の命は彼にとって、蟻のように、取るに足らないものだ。