第828章 トレンド

李億の言葉がここまで来ると、秦爽はすでに怒鳴っていた。「発言禁止!」

この二文字が出るや否や、李億は口を開いていたものの、もう言葉を発することができなくなった。

配信の外の視聴者たちは混乱し、皆が一体何が起きたのかと尋ねていたが、その時には、配信はすでに緊急停止されていた。

「超能力者」というトピックは、あるホットサーチで直接上位に上がった。

陸超が早めに発見して、ホットサーチを削除しようとしても、みんなの議論の熱が高すぎて、一つ削除してもまた別のが出てきて、あからさまに全部削除することもできなかった。

そうでなければ、まるで「此地無銀三百両」(盗んでいないと言いながら証拠を隠す)のようではないか?

まるで本当に超能力があるかのように見えてしまう!

陸超は頭を抱えて直接口を開いた。「我々の有名人や人気配信者などの異能者に対する調査は、理論上非常に厳格なはずなのに、どうしてこのような状況が発生するのか?彼らの影響力は大きすぎる。しかも、オフラインではなくオンラインだ!配信中は少なくとも数百万人が視聴していた。これをどう調査すればいいのか、一人一人の記憶を消去するのか?」

薛夕は口を開かず、代わりに向淮を見た。

すると向淮は口元を上げて笑った。「もちろんそれはできない。関係者が多すぎる。この件は言論を誘導するしかない。」

陸超は一瞬驚いた。「どう誘導するのですか?」

向淮は口を開いた。「景飛はすでに秦爽に連絡しているはずだ。この件は彼女に関係している。さあ、急いで北京に戻ろう。」

後半の言葉は薛夕に向けられていた。

事件が起きたのだから、特殊部門の人間として当然戻らなければならない。

そして秦爽は異能を発見した時点ですでに特殊部門に編入されており、彼女の任務はエンターテイメント業界を監視することだった。今回のような事態が発生したのは、彼女の不注意でもあった。

秦爽のことを考えると、薛夕は浜町に帰省する前に受け取った秦爽からのWeChatメッセージを思い出した。

彼女が話そうとした時、陸超の目が輝くのを見た。「秦爽のこの反撃、本当に見事じゃないですか?」

薛夕は疑問に思って見ると、陸超が再び携帯を向淮と薛夕の前に掲げているのが見えた。「ボス、夕さん、見てください。秦爽が突然、岑白と別れたと発表しました!」