第834章 胸を刺す痛み

彼女に移すの?

薛夕と秦爽はお互いを見つめ、秦爽が説明を始めた。「夕さんの治療能力は、病気を超能力者にだけ移すことができるの。あなたは...超能力者なの?」

岑いとこは驚いた様子で、明らかにそういうことだとは思っていなかった。彼女は首を振った。「私、私じゃない」

彼女はただの普通の人間だった。いとこと親しくなければ、この世界に異能というものがあることさえ知らなかっただろう。

でも、どうしてこうなるの?

いとこは確かに、彼女が治療を手伝えると言ったのに!

彼女がそう考えていると、突然秦爽が口を開いた。「私はよ」

この言葉に、岑いとこと薛夕は驚いて彼女を見つめた!

秦爽は目を伏せた。「私は超能力者だから、岑白の代償は私に移せる!」

薛夕は眉をひそめた。「おしゃべりさん、あなた...」