第836章 コードネーム

李億のような事件は、二度と起こってはならない。

芸能界に超能力者について発言する人が一人現れても、冗談として済ませることができるが、さらに数人現れれば、皆が深く考えざるを得なくなる。

だから最近は、芸能界への監視が厳しくなっている。

特殊部門のネットワーク部も、ネットの監視を強化し、秘密組織が超能力について広めようとした話題は、完全に抑え込まれた。

景飛は忙しく立ち働き、薛夕が入ってくると口を開いた。「夕さん、あなたの超能力者監視システムは本当に素晴らしい。おかげで他の二人の秘密組織の超能力者を見つけることができました!」

さらに二人見つかったの?

薛夕はうなずいた。「あと一人だけね。」

以前、あの白くて太った秘密組織のボスと賭けをしたとき、五人が賭けの対象だった。秘密組織は五人を派遣して噂を広め、破壊活動を行い、彼らがそれを捕まえるというものだった。

景飛はうなずいた。「現時点ではそうですね。」

彼は座って言った。「夕さん、その秘密組織について話しましょうか。」

薛夕はうなずいた。

景飛は話し始めた。「あの秘密組織の名前はもうご存知でしょう。彼らは超能力組織と呼ばれています。実は十数年前、超能力組織の人数と規模は今よりもはるかに大きかったんです。当時、彼らは秘密裏に一つの行動を組織しました。世界を震撼させるような大規模な行動でしたが、後に特殊部門の先輩たちが必死に阻止しました。」

薛夕は疑問に思って尋ねた。「どんな行動だったの?」

景飛は首を振った。「それは分かりません。適時に阻止されたので、彼らの計画も破壊されました。おそらく人類の破滅のようなものだったと思います。なぜなら、今回捕まえた二人の超能力者も、人が多い場所に行って破壊活動をしようとしていましたから。」

「秘密組織のメンバーはそれぞれコードネームを持っていて、自分たち自身も組織内の他のメンバーが誰なのか知らないんです。だからこの数人を捕まえても、最後の一人を見つけることはできません。はぁ!」

薛夕は興味を持った。「コードネーム?」

景飛も興味を示した。「そう、彼らのボスが何と呼ばれているか知っていますか?」

薛夕は首を振った。

景飛は言った。「ハゲタカさんです。」

「……」