第109章 霊活な太っちょ【第3更】

竹下大郎は威厳を示すためにそうしたのだ。彼の弟があんな目に遭わされたのだから、当然これに関わる者は誰一人見逃すわけにはいかない。

  事実、彼はそれを実行した。

  今の葉子旭の顔は涙でいっぱいで、体中の痛みで崩壊寸前だったが、それでも歯を食いしばって耐え、一声も上げなかった。

  「お願いです、彼を助けてください。」高富帥は夏天の側に来て懇願した。

  「助けてやるさ。でもお前のためじゃない。あいつはまだ男らしいからな。」夏天は高富帥を見もせずに、直接葉子旭の方へ歩いていった。今回テコンドー部の指導者は夏天を止めなかった。

  夏天は葉子旭の前に来て尋ねた。「痛いか?」

  「痛くない!」葉子旭は歯を食いしばって耐えていた。彼の顔は汗と涙が混ざり合っていた。

  「男らしいな。」夏天は両手を直接彼の両足に当てた。