第119章 大バカ野郎【1回目】

この声が聞こえてくると、全員が彼に目を向けた。また男だった。みんな不思議に思った。なぜこんな男たちが化粧品を買うのか、しかも抽選に当たるのか。さっきの二級賞も男が持って行ったばかりだ。

舞台の下では、夏天に指名された人たちが賢明にも立ち去った。彼らは夏天の冷酷さを目にし、夏天も彼らの正体を見抜いていたからだ。周りの人々も彼らから離れていった。

ここに留まっても、もう手出しする勇気はなかった。

「当たった!ハハハハ、50万だ!」男は笑い狂いそうだった。

彼が興奮して表彰台に駆け上がるのを見て、全員が期待を込めて司会者を見つめた。また何かの間違いではないかと。

夏天は曾柔の元に戻った。夏天の霸道な一面を見て、ショッピングモールの社長は親指を立てた。

司会者は男の当選券を受け取った。「間違いありません。本当に特等賞の50万です。この方にみんなでお祝いしましょう」