第123章 あの酒瓶【第5更】

全員が声の主である李帥の方を見た。夏天と楊雲がそこで互いに褒め合っているのを見て、彼はもう我慢できなくなった。今日は彼らの同窓会なのに、自分の存在感が全くないのだ。

周一峰や李明には及ばないことは認めるとしても、今や二人の部外者に全ての注目を奪われるなんて、どうして耐えられようか。

彼は社会で渡り歩いてきた身だ。彼の目には、この時代、社会で渡り歩く人間はみな偉そうで、他人は彼を恐れ敬うべきだと思っている。この同窓会に参加したのも、ちょっとイキリたかっただけで、ついでに女の子を二人くらい口説ければ更によかったのだ。

しかし、そんな社会を渡り歩いてきた彼が、今や全く存在感がないのだ。

「さっき話していたのはお前か？」夏天は李帥の方を向いて冷たく言った。

「ああ、俺様が言ったんだよ」李帥は頭を上げ、夏天を軽蔑的に見た。彼の後ろにいた二人の仲間も立ち上がった。