第157章 幸い私は賢い

二人が事件現場に到着したとき、まだ封鎖されていた。錢隊長は自分の身分証を取り出し、夏天と一緒に中に入った。ここは高層ビルで、事件が起きた部屋は18階にあった。

  夏天と錢隊長は一緒にエレベーターに乗った。

  ジジッ!

  エレベーターの灯りがちらちらと点滅し、その後完全に消えてしまった。エレベーターも停止した。

  錢隊長はこの状況を見て、先ほどの夏天の言葉を思い出した。「本当に幽霊がいるのか」

  彼は急いで携帯を取り出し、懐中電灯機能をオンにした。

  「くそっ、俺の前で小細工を仕掛けやがって」夏天は3本の銀針を放った。

  ジジッ!

  エレベーターの灯りが再び点き、エレベーターも再び上昇を始めた。

  エレベーターは18階で停止した。

  「ここで待っていてください。すぐに戻ります」夏天は相手の手口がわからず、錢隊長に危害が及ぶのを恐れた。

  「夏さん、間違えていますよ。亡くなった人の部屋は隣です」錢隊長は夏天が間違った部屋に向かっているのを見て、急いで声をかけた。

  「わかっています。でも犯人はこの部屋にいます」夏天は淡々と言った。鍵がないので、この種の防犯ロックは銀針では開けられない。そこで彼は最も原始的な方法を取った。

  ドン!

  一撃で防犯ロックを砕いた。

  防犯ロック全体がバラバラになった。

  「うわっ」錢隊長は目を見開いて破壊された防犯ロックを見つめた。夏天がどれほど強いのか想像もつかなかった。この防犯ロックは鉄製なのに、夏天は素手でこんなに簡単に壊してしまった。

  夏天はそのまま扉を開けた。

  錢隊長はついていかなかった。先ほどの出来事で、少し怖くなっていた。

  部屋の中は真っ暗で、全ての日光がカーテンで遮られていた。

  「俺の未来の嫁に手を出したやつは、出てこい」夏天は大声で叫んだ。

  「お前が私の計画を台無しにし、私の宝物を傷つけたのか」極めて陰気で恐ろしい声が部屋の中から聞こえてきた。

  「さっさと出てこい。文句を言いに来たんだ」夏天は非常に無礼に言った。