第221章 おバカな入院仲間

「夏天は素早く走っていた。銃のことはよく分からなかったが、スナイパーについて聞いたことがあった。スナイパーの極限、2.3秒、瞬時に狙いを定める速度は2.3秒だ。そこで夏天は2.2秒のところで素早く方向を変えた。

  バン!

  スナイパーの一発が彼が方向転換した場所に命中した。

  「1、2」夏天は心の中で静かにカウントしていた。

  方向転換!

  バン!

  また彼が方向転換したポイントだった。

  夏天の予想は外れていなかった。相手は確かにスナイパーで、2.3秒の極限の狙準速度を持っていた。

  3発目が外れた後、銃声は止んだ。夏天はそのスナイパーの死角に隠れた。さっきの弾丸の方向から判断すると、相手は後ろの7時の方向にいた。

  夏天はそこに隠れたまま動こうとしなかった。

  「くそったれスナイパー」夏天は怒鳴った。彼が一番嫌いなのはこういうスナイパーたちだった。

  古い言葉にあるように、武芸がどんなに高くても包丁は怖い、カンフーがどんなに上手くても煉瓦で倒される。

  まして銃なら言うまでもない。しかも相手はスナイパーで、弾丸も特殊な装甲貫通弾で、装甲車さえも貫通できる。

  今日以降、夏天は誓った。彼も銃を学ぶと。武芸が役立つとはいえ、こういう状況では確かに銃の方が武芸より有用だ。たとえ彼の武芸がどんなに高くても、2秒以内に1キロ先まで走って相手を倒すことはできない。

  彼はスーパーマンではないのだから。

  夏天はずっと動かなかった。肩の傷口からまだ血が流れていた。古仏舎利がすでに彼を治療し始めていたが、藍雲の短剣があまりにも鋭利で、彼の腕全体がもぎ取られそうになっていた。

  今や彼の肩全体が鮮血に染まっていた。

  パトカーが来た。夏天家の古い屋敷は完全に世間から隔絶されているわけではなく、さっきの3発の銃声で誰かが通報したのだ。発砲は小さな事件ではない。

  警察が来たのを見て、夏天はほっとした。どうやらあのスナイパーはもう去ったようだ。

  「そこの者、手を挙げろ」警察官は夏天を見て叫んだ。

  「錢隊長、こちらに負傷者がいます」ある警察官が叫んだ。