第212章 図に乗る

丁虎は驚いて相手を見つめた。彼は訓練を受けた人間だったが、部隊にいた時でさえ、彼に匹敵する者はほとんどいなかった。しかし、今回の一戦で相手の実力を感じ取ることができた。

  自分に劣らない力だった。

  第一ラウンドの力比べは互角だった。

  実は沈大龍の驚きも彼に劣らなかった。神龍武術學校に入学してから、彼が転校生の身分で二年生に編入できたのは、彼の実力が十分に強かったからだ。

  しかも、二年生に入るとすぐに二年生のトップの地位を獲得した。

  今の彼は神龍武術學校の二年生全体で完全に対抗馬がいなくなっていた。

  「お前、なかなかやるな」沈大龍は冷たく言った。

  「お前もな」丁虎は拳を握りしめた。

  「姉さんの旦那、頑張って!」袁莉は大声で叫んだ。

  「もういいわ、四ちゃん。お姉さんがどれだけ心配してるか、わからないの?」馬蘭は袁莉の無神経な様子を見て言った。