夏天は人生で初めて告白されて、心臓が激しく鼓動していた。なぜかわからないが、突然、不思議な感覚が湧き上がってきた。自分が本当に恋をしたのだと気づいた。
「夏天、愛してる。一生愛し続けるわ」冰心は夏天をそのまま抱きしめた。
「君の愛を、一生守り続けるよ。永遠に、時代が変わろうとも」夏天は手に持っていた袋を投げ捨て、冰心を抱きしめた。
葉清雪は目の前の二人を見て、嬉しくもあり、妬ましくもあった。親友が好きな人と結ばれて嬉しい反面、自分がなぜ夏天のいとこでなければならないのかと嫉妬を感じていた。
「はぁ、荷物は私が持つから、二人でラブラブしてきなさいよ」葉清雪は夏天と冰心の二人の世界を邪魔したくなかった。
葉清雪が去った後、夏天と冰心は手を繋いで街を歩いた。特に何もせず、どこにも行かず、ただ手を繋いで歩いているだけだった。二人の顔には絶えず笑みが浮かんでいた。
時として、幸せとは必ずしも沢山のバラの花や、美味しい物を食べたり、色々な物で遊んだり、買い物をしたりすることではない。
このように二人で街を歩き、お互いを想い合う心を持つこと、それが二人にとって最大の幸せだった。
二人はずっとそうやって街を歩き続けた。後に夏天は冰心が疲れるのを心配して、カフェを見つけた。二人はそこに座り、お互いを見つめ合うだけで、やはり言葉は交わさなかった。
しかし、二人の顔には幸せが溢れていた。
君は僕の大切なりんごだよ!
「夏天、部に来てくれ。任務がある」
「誰か連れて行ってもいい?」
「ダメだ。部の規則だ」
「彼女なんだけど」
「そうか、じゃあ連れてきなさい。ちょうど会ってみたかった」
夏天は電話を切ると、冰心に神秘的な笑みを浮かべた。「面白いところに連れて行くよ。でも他の人には言っちゃダメだよ」
「うん、いいわ」冰心は夏天が面白そうな場所だと言うので、喜んで付いていくことにした。
夏天は冰心の手を握ったまま、二人でタクシーに乗った。
夏天が特別行動部で最も感心していたのは、ここが普通の会社のように見えることだった。外見からは、ここが噂の特別行動部だとは全くわからなかった。
たとえ誰かが間違って入ってきても、普通の会社だと思うだけだろう。
特別行動部に着いた後。
コンコンコン!
「入りなさい!」葉婉晴は淡々と言った。