第316章 あらゆる不服を治す

夏天は理解できなかった。落選するのは恥ずべきことのはずなのに、この男はまるで誇りに思っているかのように、そんなことを自慢の種にしていた。

「お前に何がわかる。竜組はお前の一生をかけても窺い知れない存在だ」と英奇は誇らしげに言った。

竜組に所属していたことは、彼の一生の自慢の種であり、誇りでもあった。竜組とはどんな場所か、それは最高峰の存在であり、実力と身分の証明でもあった。

「かもしれないね。私は落選したことがないから、落選がそんなに誇らしいものだとは知らなかった」と夏天は呆れて首を振った。

「お前は私の部下を九人も傷つけた。今日はお前の腕と足を折ってやる。納得するか?」英奇は夏天を見つめながら言った。まるで夏天がすでに彼の掌中の物であるかのように。

「負けたことも、怖がったこともある。でも、納得したことは一度もない」と夏天は毅然と立ちながら言った。

「今日こそ、お前を納得させてやる」英奇は冷たく言い、拳を振り上げた。

皆が見物を待ち構えていた。ついに英奇が出手する時が来たのだ。英奇の身分は並大抵のものではない。彼は竜組の出身で、他の二つの部署の教官も竜組の出身だった。

彼らは竜組がどれほど恐ろしい存在かを身をもって知っていた。

竜組に所属していた者は間違いなく実力者だ。

英奇こそが今日の本番だった。司徒浩が出手した時点で、もう英奇は出る必要がないと思われていたが、まさか夏天が英奇まで引きずり出すとは。

「英奇が出手した。この茶番劇もそろそろ終わりだな」と杭州市特別行動部の總教官は冷たく言った。彼も竜組の出身だったため、英奇に自信があった。

「見物だな」と杭州市特別行動部の部長は頷いた。

浙海市特別行動部の總教官は試合場を見つめながら言った。「面白い試合になりそうだ。誰が勝つかな?」

「英奇だろう」と部長は言った。

「それは分からないぞ。少なくとも今のところ、江海市のあの總教官はまだ本気を出していない」と浙海市の總教官は言った。

「夏天は大丈夫かしら?」と冰心は心配そうに尋ねた。

「大丈夫でしょう。漫雲仙歩があるから、負けそうになったら逃げられるわ」と葉婉晴は淡々と言った。今や彼女にも誰が勝つか分からなかった。

結局のところ、英奇は竜組の出身で、その実力は決して誇張ではなかった。