宝物の話になると、林冰冰は確かに夏天のことを忘れてしまい、今は全ての関心がこの宝物に向けられていた。
彼女は母親が言った「とんでもないもの」というのは、きっと自分を強くしてくれるものに違いないと信じていた。
「じゃあ、まずは最初の場所に行きましょう。この地図に寶箱のマークがついている場所には、何かがあるはずです」林冰冰は地図の寶箱の位置を指さした。
「お母さんは他に何も言わなかったの?」夏天は尋ねた。
「いいえ、日記には、これは寶物だけど、絶対に探しに行ってはいけないって書いてありました」林冰冰は説明した。
「気をつけた方がいいよ。お母さんは何か警告しようとしていたんじゃないかな」夏天は注意を促した。二人は車で林冰冰の昔の住まいに直接向かい、下車後、夏天はすぐに雑貨店を見つけ、江海市の地図と荷物一式を買った。
「なんで地図を買うの?」林冰冰は不思議そうに尋ねた。
「バカだな、この宝の地図だけで宝物が見つかるわけないだろう」夏天は林冰冰の頭を軽く叩いた。林冰冰が怒りかけたところで、夏天は急いで続けた。「この宝の地図を見てみろよ。まっすぐ行って左に曲がるって書いてあるけど、どこで曲がるかわかるの?この道をまっすぐ行くと少なくとも40の交差点があるんだぞ。どこで曲がればいいんだ?」
「あ、そうですね。でも、なぜこの地図を買ったんですか?」林冰冰は不思議そうに夏天を見た。夏天の言うことはもっともだと感じた。夏天に頼んで本当に正解だったと思った。
「地図は都市の縮尺に基づいて作られていて、誤差は小さいんだ。もし私の推測が正しければ、この宝の地図の縮尺も実際の縮尺と同じはずだ」夏天は説明した。
「そうか!」林冰冰はようやく理解した。きっとそうに違いない。
夏天は頭の中で素早く縮尺を計算し、両方を比較した。「見つけた。最初の寶箱の位置は先鋒通りの交差点だ。今すぐ行こう」
目標が定まれば簡単だった。
二人は直接目的地へ向かった。
現場に着くと、夏天はその寶箱の位置が交差点の木の下だということに気づいた。
これは困ったことになった。
「何を考えているの?見つかりそう?」林冰冰は尋ねた。