第326章 再会、趙虎

夏天の三人のルームメートは誰一人臆病者がおらず、全員が前に出てきた。双方の実力差は大きかったが、彼らは一歩も引かず、両者はそこで完全に膠着状態となった。

その場にいた二人のうち、一人は顔色が青ざめた大柄な男で、もう一人は絶え間なく叫び続ける夏天だった。

ベンツレディも焦りの表情を見せた。彼女は夏天が懲らしめられるのを見たかったが、今は夏天と同じ船に乗っている身。この連中が本当に喧嘩を始めることは望んでいなかった。

今は自分の兄が早く来てくれることを祈るしかなかった。

「夏天、大丈夫か?」大さんの劉青雲が焦って叫んだ。

「俺?俺は大丈夫だよ。」さっきまで絶え間なく叫んでいた夏天が突然振り返って笑った。その笑顔を見て、両者とも一瞬固まり、何が起きたのか分からなかった。もしかして大柄な男が力を抜いたのか?

しかし二人の手はまだ握り合ったままだった。

「おかしい、あいつは最初から顔色が青ざめたままだ。まさか。」大さんの劉青雲がようやく異変に気付いた。

ああ!

まるで彼の言葉を証明するかのように、大柄な男の口から悲鳴が上がり、その後全身を地面に崩れ落とした。さっきまでずっと我慢していたが、夏天が突然力を入れたため、もう耐えられなくなったのだ。

この急な展開に全員が呆然とした。

さっきまでは大柄な男が夏天を痛めつけていると思っていたが、今になって分かった。夏天はさっきから演技をしていたのだ。それもとても上手に。

「くそっ、また騙された。」ベンツレディは心の中で悪態をついたが、気持ちは少し落ち着いた。

「このガキ、早く彼を放せ。」神龍武術學校の連中が全員近づいてきた。

「止まれ!」夏天は彼らを見て叫んだ。「警告しておくが、俺の黄金の右手は鉄も曲げられる。誰か一歩でも前に出たら、こいつの骨を折るぞ。」

ああ!

大柄な男は再び心を引き裂くような悲鳴を上げた。指は心臓に繋がっているのだ。その光景を見た連中はもう前に出る勇気がなくなった。

「三さん、よくやった。」大さんの劉青雲が興奮して叫んだ。

「まさか三さんにこんな技があったとは。大さんは少林寺の出身だけど、三さんは武當山の出身なのかな。」二さんの趙前程が推測した。