部屋に戻ると、方平は道中で遭遇した出来事を振り返った。
わずか数百メートルの道のりで、二人の武士と二人の狂人に出会った。
「武士はこんなに多いのか?」
「それとも伝教師のような狂人たちと関係があるのか?」
武士が至る所にいるというのは、でたらめだ。
瑞陽が陽城よりも発展していても、陽城にはどれだけの武士がいるのだろうか?
瑞陽にはどれだけいるのだろうか?
武士に出会わなかったり、一人だけに出会ったりしたら、方平はそれを偶然だと思えただろう。
しかし、続けて二人に出会うとは……
頭を振りながら、方平はこれらのことを今の自分が心配する必要も資格もないと感じた。
彼が今心配すべきは、明後日の専門試験だ。試験が終われば陽城に帰る、これらのことは彼とは無関係だ。
彼は現在、気血が低くないので、何とか戦闘力があるとも言える。
しかし、武士はおろか、普通の人が銃器を持っていても、方平には太刀打ちできない。
心の中の不安を押し殺し、方平は専門試験の資料を取り出して読み始めた。
……
その後の時間、方平たちはもう外出しなかった。
10日が近づくにつれ、専門試験が迫り、方平も以前の出来事を選択的に忘れた。
すぐに、5月10日になった。
10日に専門試験が終われば、方平たちは陽城に戻って一般教養の試験の準備ができる。
専門試験の会場は瑞陽第一中學校だった。
方平たちのような外部から来た学生は、教師に引率されて試験会場に向かった。
一方、瑞陽の地元の学生の多くは、親が付き添っていた。
普通の親の付き添いと変わらず、方平たちが試験会場に入る時、校門の外には多くの学生の親が集まっていた。
これらの親たちは皆、熱心に自分の子供を見つめ、子供が武道大學に合格することを期待していた。
専門試験のこの段階まで来ると、武道大學に合格する可能性は大きく高まり、全く希望のない期待ではなくなっていた。
……
方平たちが試験会場に入るのと同時に。
試験会場の外。
一台のボロボロのワゴン車の中。
「見えたか?」