20分後。
実技試験の建物の外。
先輩たちが周りに集まって見物していた。多くの新入生が青あざだらけの顔で建物から出てくるのを見て、少し幸災楽禍の気持ちになっていた。
「今年は殴られた奴が多いみたいだな?」
「知るかよ。見てて気持ちいいぜ。去年は俺たちが囲まれて、恥をかきまくったからな。今年はようやく俺たちが見物する番だ」
「おや、あれは何だ?あいつは傅昌鼎じゃないか?昨日あんなに威張ってたのに、豚の頭みたいになってるぞ?」
「すげえな、それでも分かるのか。天才だな。親でも分からないだろうよ」
「昨日の印象が強すぎて、かつての俺を思い出したよ。今日殴られると思ってたけど、本当に殴られたんだな!」
「......」
みんなが議論を交わし、顔には嘲笑の表情が浮かんでいた。
傅昌鼎は方平に支えられて出てきた。周りの人々の嘲笑的な言葉を聞いて、怒って言った。「俺は一人で千人と戦った。負けたとはいえ、誇りに思う!」
「ふん!」
「相変わらず厚顔無恥だな。昨日は二人で掛け合いして自慢してたくせに、今日は一人で吹かしてる!」
「......」
一人対十人なら、彼らは信じる!
なぜなら、過去にはこういうことは珍しくなかったからだ。傅昌鼎を軽蔑はしても、彼の実力はあると昨日みんな分かっていた。
でも一人対千人?みんな信じるだろうか?
先輩たちは誰一人として信じなかった。新入生のほとんどは黙っていた。
心の浅い数人が怒って反論した。「何が一人対千人だよ。二人だろ、お前は脇役だ!」
この言葉に、多くの新入生が怒りの目を向けた。
バカ野郎!
みんな黙っていようと決めていたのに。勝手に言わせておけば、誰も信じないんだ!
こんな恥ずかしいこと、方平が立って出てきたのは、勝ち負け関係なく、他の人間を恥さらしにするためだ。
それなのに、反論するバカがいるなんて!
これじゃあ本当に千人が二人に挑まれたって証明しちゃうじゃないか!
こんなやつが魔武に合格したなんて、趙磊たちでさえ、方平の言うとおり魔武は年々レベルが下がってるんじゃないかと疑い始めた!