方平は門衛に「臨時武道証」を見せ、学校に入ることができた。
学校はとても広く、この時期でもまだ多くの学生が帰っておらず、学校内に散在しているにもかかわらず、ほとんど人に出会うことはなかった。
方平は時間が遅くなってきたのを見て、これ以上ぶらぶらすることはしなかった。
門衛から受付の場所を聞き、方平は受付に向かって直行した。
……
校内を7、8分歩いて、やっと方平は受付の場所を見つけた。
それは3階建ての古い建物で、周囲の建物と比べるとかなり老朽化していた。
駅の方と同様に、1階はサービスホールのレイアウトで、とても広々としていた。
しかし、今は中がとても静かで、新入生の受付開始時期ではなく、受付は普段は訪問してくる保護者の対応を担当している。
一部の学生が任務で学校にいない場合、これらの訪問してきた保護者の対応を彼らが行う。
武大は裕福で、保護者が来ても学生が手配していない場合、学校が食事と宿泊を手配する。これも武大の学生に対する一種の肯定だ。
「コンコンコン……」
方平はガラスのドアを軽くノックした。広々としたホールの中で、ノックの音がはっきりと聞こえた。
「どうぞ!」
ノックの音が鳴り、すぐに受付カウンターの後ろで居眠りをしていた中年の女性が立ち上がって応答した。
方平が入ってくると、女性は彼がスーツケースを引いているのを見て、少し驚いて言った。「新入生?」
新入生でなければ、受付に来る必要はない。
「おばさん、こんにちは。私は1年生の新入生です。これが私の合格通知書です……」
方平はとても丁寧に、急いで自分の合格通知書を取り出し、ついでに「臨時武道証」も一緒に渡した。
女性はそれを受け取って一目見たが、詳しくは見ずに言った。「今から入学手続きをするのですか。学校側はまだ準備ができていませんよ。
例年、新入生が早めに来るのは3、5日前くらいですが、開学まであと1ヶ月もあります……」
女性は少し眉をひそめ、困ったような表情をした。