ホテル。
大きなホテルと言っても、外の世界とは比べものにならない。
しかし、以前みんなが会議をしていた場所と比べれば、そのホテルの環境ははるかに良かった。
少なくとも、テーブルや椅子は不足していなかったし、しかも現代的なテーブルと椅子だった。
店内は改装されており、星級ホテルには及ばないものの、一般的な路傍の屋台よりはずっと条件が良かった。
ホテル内には豪華絢爛な照明設備はなく、代わりに丸みを帯びた人工水晶が四方に嵌め込まれており、明るい感じを与え、圧迫感を感じさせなかった。
方平たちが入ると、すぐに誰かが熱心に接客に来て言った。「お客様、2階の個室へどうぞ!」
……
方平たちは、よくわからないまま2階へついていった。
2階の個室で、方平はガラス窓を見て、やっと少し馴染みのある感覚を覚えた。
しかし、手に取ったメニューを一瞥すると、方平は突然メニューを陳雲曦に投げ渡して言った。「君が注文して。君がおごりだろう。」
陳雲曦はメニューを受け取って一目見ると、顔が一気に真っ赤になった。
「私は……」
方平はその様子を見て、口角が少し引きつった。なるほど、お嬢様も驚いたのか?
もう無駄話はせずに、方平は立ち上がって言った。「行こう、帰って食べよう!」
彼らを2階に案内したばかりの女武者は、眉をひそめたが、すぐに笑顔で言った。「皆様は初めていらっしゃったようですね。おそらくこちらの状況をご存じないのでしょう。地下洞窟では、食事は贅沢品なんです。
ここでは火のエネルギーも電気のエネルギーも使えません。調理済みの食事を用意するには、エネルギーストーンを使ってエネルギーを供給する必要があります。
そしてエネルギーストーンは、最低品質のものでも価格が安くありません。これは皆様もご存じだと思います。
さらに、ここでは大量の生活物資を持ち込むのは軍部の審査を通過するのが非常に困難です。軍部は地下洞窟で贅沢な生活を送ることを推奨していません。
皆様が入ってきた時、軍用ビスケットや丹薬以外のものは没収されたのではないでしょうか?