希望城から50キロ離れたところ。
百里の距離、方平が気血を惜しまず全力疾走すれば、1時間もかからないだろう。
しかし、武士の気血力も無限ではない。一般の武士、たとえ六級でも、緊急時でなければこんなことはしない。
今、方平は全力で走って戻りたいと思っている。
しかし問題は……前方の封鎖線はどうなっているのか?
至る所に軍隊の武士が巡回している!
「希望城を封鎖したのか?」
方平はつぶやき、心の中で判断を下した。
人類が天門城に抵抗してきたのは一年や二年ではない。長年の経験から、みんな他の十二都市が大戦に参加しないことを当然のように思っていた。
天門城が滅ぼされない限り!
これは長年の固定観念だった。
しかし方平は今回本当に目にした、東葵城の大軍が出動しているのを。
もし希望城側がまだ古い考えにとらわれていたら、大変なことになるかもしれない。
「今、外周を封鎖したということは、人類の魔都地窟での戦力は天門城に及ばず、守りに入るしかないということだ。
今、封鎖線ができたのは、おそらく野外の武者が戻って情報を伝えるのを防ぐためだろう。結局のところ、東葵城方面で活動している武者もいるわけだから」
「天は私に人類を救えと言っているのか!」
方平は突然、責任の重大さを感じた。もし東葵城が参戦するという情報を希望城が知らなければ、東葵城が何人かの高級強者を出動させて人類の高級強者を包囲殺害したら、大変なことになる。
華國は22の地窟を守らなければならないため、どの場所にも常時数十人の宗師を配置することはできない。
魔都地窟のこちら側は宗師の数が多い方だが、場所によっては2、3人しか駐在していないところもある。
「これは私に現代のフィディピッツになれと言っているのか……」
「いや違う、フィディピッツは吉報を伝えただけだ。私は重重の障害を突破して人類を救いに行くんだ、私の方がもっと勇敢だ……」
自分を褒めながらも、方平は瞬時に顔を曇らせた。自分を慰めているだけだった。
人がたくさんいる!