同じ時刻。
二人から数百里離れた場所。
李寒松は荒い息を吐きながら、小声で言った。「やっと行ったみたいだ!」
「うん。」
秦鳳青は顎に手を当てながら、息を切らして言った。「おかしいな、こんなに早く行くなんて?もう数日追い回してやろうと思ってたのに。」
王金洋は考え込むように言った。「急用があったみたいだ……我々の仲間が攻めてきたのかな?」
南江通路からさらに援軍が来たのなら、彼らが撤退するのも無理はない。
「こんなに早く?」
秦鳳青は疑わしげに言った。「通路は今日まだ復旧してないはずだろ?」
「それなら吳鎮守たちが相手に圧力をかけたのかもしれない。」
秦鳳青は疑いを持ち続け、つぶやいた。「俺が思うに、方平を追いかけに行ったんじゃないか。」
王金洋と李寒松は同時に彼を見た。どういう考えだ?
秦鳳青はつぶやいた。「信じないかもしれないが、直感だ!あいつは絶対に城に潜り込んでる。城主府から何か盗んで、今は追われてるんじゃないか。」
李寒松は思わず方平を弁護して言った。「馬鹿なこと言うな。方平がどんなに馬鹿でも、そんなことはしないだろう。情報収集ならまだしも。」
城に潜り込めたとしても、方平がそんな馬鹿なことをするとは思えなかった。
城主府から盗む?命知らずもいいところだ。
「信じなくていいさ。とにかく俺は方平が何か悪さをして追われてるんだと思うよ。」
そう言って、秦鳳青は息を吐いて言った。「そんなことはどうでもいい。奴らが行ったなら、俺たちは続けよう。」
「続ける?」
李寒松は一瞬固まった。
「そうだよ、奴らが行ったんだから、当然続けるさ。今、奴らが問題を抱えてる間に、俺たちは奪い続け、殺し続ける。中級を一人殺せば、無数の人類を救えるんだ。俺たちは人類の英雄だ!
エネルギーストーンを一つ奪えば、それは敵の力を弱め、勝利の天秤を人類に傾けることになる!
俺たちは偉大な先駆者なんだ……」
秦鳳青は自慢げに語り続け、李寒松は我慢できずに言った。「俺、本当にかなり怪我してるんだけど……」
「大丈夫だよ、エネルギーストーンをもっと吸収すれば良くなる。さあ、急ごう。」
「傷を治したいんだけど……」