第433章 出発

希望城。

方平と秦鳳青は街の掃除屋のように、彼らが歩くところ、人々は一斉に避けていった。

方平は気にせず、歩きながら笑って言った。「我々が向かう場所は、さらに東に五、六百里ほど行ったところで、百獸林に近づくんだ。今日出発するか、それとももう少し待つか?」

秦鳳青が何か言おうとした時、突然おかしな点に気づき、警戒して言った。「どうしてそれを知ってるんだ?黃さんめ、裏切り者だな。すぐにお前に話したのか?」

彼は確かに方平に具体的な場所を教えていなかったが、黃景には話していた。

黃景は彼らと一緒に行かないので、黃さんを無駄に走らせるわけにはいかなかった。

しかし、方平はどうやって知ったのか?

方平は嘲笑い、答える気もなく、ずっと前から知っていたのだ。

具体的な場所が分からなかったし、この男が付いてくると言い張ったから、方平は彼を連れて行きたくなかった。

秦鳳青が周囲の環境について話したことを加えて、方平はにこやかに言った。「百獸林は東に八百里以上行ったところだが、百獸林と希望城の途中に、比較的安全な危険地帯がある——ハリネズミ獣の丘だ。

ハリネズミ獣の丘という名前の由来は、誰かがそこで『山海経』に記録されている窮奇という異獣に似た生き物を発見したからだ。

その姿は牛のようで、ハリネズミの毛を持ち、声は犬の遠吠えのようだ。

ただし、『山海経』に記録されている窮奇には双翼があった。

しかし、ハリネズミ獣の丘で発見された妖獸には翼がなかったため、ハリネズミ獣と呼ばれている。」

方平は言いながら、顎を撫でて言った。「そういえば、この『山海経』は必ずしもでたらめではないかもしれない。以前の狡王の森にいた狡は、記録にある異獣の狡とよく似ていた部分があった。だから我々の地域で狡と呼ばれているのだろう。」

狡は、地下洞窟では、地窟武道家たちが金角獣と呼んでいる。

しかし、どう呼ぶかは双方の勝手だ。その狡は他人が自分をどう呼ぶかなど気にしていないだろう、食べられれば良いのだから。

方平は話しながら、つぶやいた。「以前はそこまで深く考えていなかったが、今考えると、この『山海経』やそれらの古代伝説に出てくる妖獸や乗り物などは、人類が想像したものなのか、それとも本当に存在したものなのか?

九品強者の一部は、妖獸を乗り物にしていると聞いたことがある。