6月1日。
京都空港の外。
「くそっ!」
小柄で可愛らしい女の子が、突然罵った。
隣に人が自分を見ているのを見て、小柄な女の子は恐ろしい顔で言った。「何見てんの!もう一度見たら斧で殺すわよ!」
「凌社長!」
韓旭は困った顔で、通行人に謝罪の笑みを浮かべてから言った。「怒りを他人にぶつけないで、武士が武術を学ぶのは、同胞を虐げるためではないよ……」
凌依依はイライラした顔で言った。「説教はやめてよ!私は本当に彼を殺したわけじゃないでしょ!」
そう言いながら、凌依依はさらに怒りが頂点に達し、怒鳴った。「李寒松は何をしているの!彼が魔武の指導者になるなんて、このバカ、私は本当に斧で彼を切り殺したいわ!」
李寒松が魔武の指導者になったのだ!
6月、武大の4年生が卒業する。
武道部部長の李寒松は5月にすでに部長の職を辞し、後任は他でもない、現在まだ2年生の韓旭、四級上級武者だ。
そして同じく四級上級の3年生の凌依依は副部長だ。
1年前なら、四級上級の武道部部長は非常に強力だった。
方平たちの前は、各校の武道部部長で四級の者はあまり見られなかった。
しかし09年には、黄金世代の各校武道部部長が現れた。
魔武方平、六品中級、精神力具現化。
京武李寒松、六品初級。
南武王金洋、六品初級。
第一軍校姚成軍、五品頂點。
九州軍事學校肖玉明、五級初段。
華國武道大學劉世傑、五級初段。
京南武科大學陳浩然、五級初段……
六品の者、五品の者が次々と現れた。
四級の者は、ほとんどの学校の標準となった。
一般の武大、専門の武大でなくても、資源を投じて学校のエリートを四級境界まで押し上げた。
四級に達していないと、武道部部長を務めるのは、今では少し恥ずかしいことだった。
しかし、この短い栄光の時期が過ぎると、方平と王金洋がまだ卒業していない以外は、他の人々は皆卒業した。
本来なら各校の武道部部長が卒業し、韓旭が四級上級で後を継ぐことは、凌依依から見ても問題なかった。京武はこれまで通り強力だった。
李寒松については、本来凌依依から見れば、彼が京武に残るのは当然のことだった。
しかし重要なのは、彼女が全く予想していなかったことだ。京武の誇りとされる李寒松が、なんと魔武に行ったのだ!
ここ数日、すでに噂が広まっていた。