もし彼らの江城朱家が武道の宗師と仲良くなったら、江城での地位は間違いなく上がるだろう!
しかも、ここ数年朱家の江城での薬材ビジネスは冴えないし、江南省の朱家はすでに不満を持ち始めている。場合によっては江城朱家という傍系を切り捨てるかもしれない。
そうなったら彼朱仁德はどうすればいいのだろうか?
目の前の青年と仲良くなる以外に、いわゆる朱家の傍系が江南省朱家の目に留まる資格はない!
葉辰は少し考えてから、振り向いて朱仁德に言った。「もし本物かどうか知りたいなら、この絵を降ろして私に渡してください。証明してお見せしましょう。」
朱仁德はためらうことなく、すぐに人に命じて絵を降ろし、葉辰の手に渡した。
彼にはよくわかっていた。たとえこの絵が本物だとしても、青年の前では全く価値がないということを!
「先生、ぜひご教示ください...」
朱仁德の言葉が終わらないうちに、葉辰はその千万の価値がある絵を真っ二つに引き裂いた!
この光景に、みんなが驚愕した!
絵を降ろした警備員は呆然としていた!
列を作っていた客たちも唖然としていた!
老人の脈を取っていた老中医さえも、心臓が止まりそうになった!
くそっ、これは德仁堂の看板商品だぞ!
お前は勝手に引き裂くのか、相談もなしに?
引き裂くだけならまだしも、我々の社長朱仁德の目の前でやるのか?
くそっ、死に方としてもこんなのはないだろう!
警備員が動こうとしたが、朱仁德に睨まれて止まった。「先生の邪魔をするな!自分の持ち場に戻れ!」
警備員は「先生」という言葉を聞いて、口角が引きつった。
くそっ、この小僧は20歳あるかどうかも怪しいのに、朱おじいさまが「先生」なんて敬称で呼ぶのか?
葉辰は周りの反応など気にせず、絵の隙間から小さな紙切れを見つけ出した。
紙切れはとても小さく、普通の人では見えないほどだった。
「拡大鏡で中の文字を見れば分かるでしょう。」
朱仁德は慎重に紙切れを受け取り、拡大鏡を持ってこさせた。紙切れの中の文字を見ると、彼の老いた顔全体が青ざめた。
「おじいさま、何が見えたの?」