沈家の人々は、そのしわくちゃのミネラルウォーターボトルと、由来の分からない黒い薬丸を見た時、頭が真っ白になった。
これ、本当に食べられるのか?
清潔かどうかも問題だ!
病気じゃなくても、これを飲んだら病気になってしまうぞ!
しかし、誰一人として葉辰を止める勇気はなかった。なぜなら、彼らは知っていたからだ。華夏全土を見渡しても、目の前の若者だけが沈海華を救えるのだと。
沈海華はその5つの薬丸を見つめ、唾を飲み込んだ。何か言いたそうだったが、結局口に出せなかった。
彼は薬丸に問題があることを恐れていなかった。
彼が恐れていたのは、目の前の葉辰を怒らせることだった!
彼の命を握っているこの男を!
「結局、飲むのか飲まないのか。飲まないなら持って帰るぞ……」葉辰は相手がまだ躊躇しているのを見て、声を上げた。
彼が丹薬を取り上げようとした瞬間、沈海華は興奮して言った。「葉さま、飲みます……飲みます!絶対に持って帰らないでください!」
そう言うと、この丹薬に問題があるかどうかも考えずに、一気に手に取り、目を閉じて飲み込んだ。
飲み込んだ瞬間、濃厚な薬効が広がった。
沈海華は全身が暖かい流れに包まれるのを感じ、体全体がかつてないほど爽快だった。
「これは……」
この感覚は、彼が今まで経験したことのないものだった!
言葉では表現できないほどだった!
男女の営みよりもさらに強烈な感覚だった!
「ん〜」
50代の男性である沈海華が思わず喘ぎ声を上げた。今の彼には、周りに何人の人がいようと関係なかった!
ただ、この感覚を表現したかったのだ!
徐々に、彼はこの数年間ずっと続いていた体の痛みまでもが消えていくのを感じた!
すべて消えたのだ!
目を開けると、世界全体が驚くほど明るく、まるで生まれ変わったかのようだった!
「これは……これは……」
沈海華の目に涙が浮かんだ!今の彼の心中の感動は誰にも分からないだろう!
彼は躊躇することなく手を伸ばし、葉辰の手をしっかりと握りしめた!