第34章 絶大な権力も跪く!

沈家の人々は、そのしわくちゃのミネラルウォーターボトルと、由来の分からない黒い薬丸を見た時、頭が真っ白になった。

  これ、本当に食べられるのか?

  清潔かどうかも問題だ!

  病気じゃなくても、これを飲んだら病気になってしまうぞ!

  しかし、誰一人として葉辰を止める勇気はなかった。なぜなら、彼らは知っていたからだ。華夏全土を見渡しても、目の前の若者だけが沈海華を救えるのだと。

  沈海華はその5つの薬丸を見つめ、唾を飲み込んだ。何か言いたそうだったが、結局口に出せなかった。

  彼は薬丸に問題があることを恐れていなかった。

  彼が恐れていたのは、目の前の葉辰を怒らせることだった!

  彼の命を握っているこの男を!

  「結局、飲むのか飲まないのか。飲まないなら持って帰るぞ……」葉辰は相手がまだ躊躇しているのを見て、声を上げた。