天正グループの方。
舵おやじが現れた瞬間、沈海華は呆然とした。
完全に呆然としてしまった。
彼は10年前から江城の上流社会に入り込んでいたので、当然、彼らに向かって歩いてくるその猫背の男が誰なのかを知っていた!
ここ数年、彼は何度も御豪クラブの会員になりたいと思っていたが、得られた答えはただ一つだった!
彼にはそもそも資格がないのだ!
しかし今、御豪クラブの背後にいる舵取り役が現れたのだ!
さらに天正グループに直接花籠を届けに来るなんて、これは彗星が地球に衝突するよりも奇妙だぞ!
舵おやじが沈海華の顔を立てて来るはずがない!間違いなく葉さまだ!
しかし、彼は葉辰がすごいことは知っていたが、こんなにすごいとは知らなかったのだ!
舵おやじは花籠を置くと、葉辰の前に来て、両手を合わせ、爽やかに言った。「殿…葉さま、おめでとうございます!これからは天正グループが必ず財源豊かになり、幸運に恵まれますよ」