第116章 これはどんなモンスターだ!(追加更新、推薦チケットを求む!)

葉辰は当然、夏若雪の身に起こったことを知らなかった。彼はベランダでタバコを一本吸い、孫怡が急かす声を聞いた。

「私は洗い終わったわ。誰が次に入る?」

孫怡はパジャマ姿で、髪がややしっとりしていた。

孫怡はリビングを一周し、夏若雪が部屋にいるのを見つけると、外からシャワーを浴びるかどうか尋ねた。夏若雪は嗄れた声で少し気分が悪いので後で入ると答えた。孫怡はあきらめざるを得ず、葉辰を見て、にこにこしながら言った。「辰ちゃん、今日はラッキーね。二番目よ。早く行って、若雪のためにお湯を残しておいてね。」

葉辰はうなずき、部屋から着替えのズボンを持って、バスルームに向かった。

そのとき、孫怡に電話がかかってきた。

意外なことに、電話は夫婦焼肉の張おばさんからだった。

前回葉辰と食事に行ったとき、わざわざ番号を残しておいた。そうすれば、次回行くときに事前に料理を準備してもらえる。

問題は、こんな時間に張おばさんが彼女に電話をかけてきた理由だ。

「もしもし?張おばさん……」

……

1分後。

「バン!」

葉辰がシャワールームで上着を脱ぎ終わったところで、ドアが孫怡によって突然開けられた!

「孫怡、これはセクハラだぞ……」葉辰は冗談を言った。

「セクハラじゃないわよ。大変なことが起きたの!急いで!急いで服を着て、出かけましょう!」孫怡は非常に焦った様子で言った。

葉辰は孫怡がすでに服を着替えているのに気づいた。明らかに外出の準備をしていた。

「どうしたんだ?そんなに慌てて。」

葉辰は服を着ながら尋ねた。

「聞かないで、車の中で話すわ!」

間もなく、孫怡はタクシーを止め、運転手に直接言った。「運転手さん、江北大學に行ってください!できるだけ早く!」

「はい、承知しました。」運転手はアクセルを踏み込み、車は走り出した。

葉辰は孫怡を見て、眉をひそめて言った。「今なら話してくれるか。」

孫怡は少し重々しい表情で、静かに言った。「汪宇恆のことを覚えているでしょ。」