30分後、二人は足音を立てないようにビッグシティアパートに戻り、簡単に身支度を整えてから、それぞれの部屋に戻って寝た。
葉辰が目を閉じてほんの数分後、部屋のドアが開けられるのに気づいた。孫怡が布団を抱えてこっそりと入ってきた。
「辰ちゃん、まだ寝てないでしょ」
「まだだけど、君は...」
孫怡は舌を出して言った。「若雪の寝相が悪くて、ベッド全体を占領しちゃったの。私が寝る場所がないのよ。明日彼女は早起きだから、起こすわけにもいかないし。数時間だけここで我慢させてね」
孫怡は3人の中で一番早く起きるので、翌日夏若雪に気づかれる心配はなかった。それに、彼女はすでに葉辰と寝たことがあるので、1回も2回も同じこと。葉辰が線を越えないことも信じていた。
「いいよ」葉辰は外側に寄って寝て、孫怡のためにスペースを作った。