第239章 恩恵を受ける福がない!(7回目の更新!)

彼は凌峰が死にたくないのなら、決して自分に面倒をかけに来る勇気はないだろうと信じていた。

  もちろん、もし本当に愚かにも死にに来るのなら、消し去るだけだ。

  しかし今回は、収穫は悪くなかった。

  この凌峰が自分を探しに来たのは、間違いなく自分に宝物を贈りに来たようなものだった。

  斬龍剣の他に、今度は霊の飛び道具も一つ手に入れた。自分の実力がまた少し強くなった。

  方中信に対処する自信もより増した。

  「武道局は、千里の道のりを人頭を届けに来たのか?」

  すぐに、葉辰は車に乗り込み、直接別荘へと向かった。

  その場に残されたのは凌峰一人だけで、彼は拳を固く握りしめ、血走った目で車が遠ざかる方向を見つめていた。

  「葉辰……なかなか面白いな。長い間、若者に興味を持たせてくれる者はいなかった。華夏にはこれほど多くの驚くべき才能を見てきたが、誰一人として私の飛び道具を受け止めることができなかった。私は非常に好奇心をそそられる、一体どうやってそれを成し遂げたのか。」

  「しかし、私の物を持ち去ったからといって、血梅殿から逃れられると思うな。お前は生まれながらの殺し屋だ。殺戮から生まれたのだ。私は信じている、時間が経てばお前の考えは変わるはずだ!」

  凌鋒の口元に不気味な笑みが浮かび、その後、その姿は夜の闇に消えた。

  ……

  鳴翠別莊區。

  葉辰は斬龍剣を部屋に戻したが、今となっては少し頭を悩ませていた。

  以前は斬龍剣が折れた剣だったので、大きさも適度で、体に隠すことができた。

  今や斬龍剣は完全な形となり、身につけるのは少し厄介になった。

  「あらかじめ老人の収納袋を持ってくれば良かった。」

  葉辰が不平を言っていると、ポケットの黒い石がわずかに震動した。

  次の瞬間、それは葉辰の前に宙に浮かんだ。

  極めて強い気配が漂い出てきた!

  「お前は何を言おうとしているんだ?」

  葉辰の眉間に疑問の色が浮かんだ。

  この物が宙に浮くのは普通だが、通常は彼が修行している時だけだった。今このタイミングでポケットから出てくるのは少し奇妙だった。