第359章 狂気!(2更!)

屠夫さんは華夏でこれほど多くの武道の強者を殺してきたが、こんな存在に出会ったことがなかった!

まさかこの若造は華夏宗師ランキングのトップ10に入っているのか!

考えが及ばないうちに、葉辰は一撃を繰り出した!

シンプルで、何の飾り気もない一撃だった!

「ドン!」

肉眼で見える程、屠夫さんの両腕が奇妙に曲がっていた!

彼の眼球は飛び出さんばかりで、体が吹き飛ばされた!

「ドン!」という大きな音とともに、血梅殿の殿様戰濤の足元に叩きつけられた!

両腕は完全に折れ、血まみれになっていた!

屠夫さんは息をする暇もなく、その場で死亡した!

この瞬間、血梅殿全体が静まり返った。

冷たい死の気配が、その場にいる全員の体を包み込んだ!

彼らの目は皆、葉辰を凝視していた。驚愕、恐怖、狂気の表情を浮かべながら!

血梅殿は殺戮によって道を極め、手段は天に届くほどで、殺した武道の強者は十万人に及ばずとも、一万人はいた!

しかし今、彼らの脳裏に焼き付いているのは、あのシンプルな二撃だけだった!

その二撃は世界を崩すかのようで、彼らの心を直撃し、その痛みは神魂にまで達した!

血梅殿の殿様戰濤の顔が完全に曇った。

相手は血梅殿に侵入し、さらに彼の目の前で二人を殺害した。これはまるで彼の顔に強烈な平手打ちを食らわせたようなもので、面目を失わせた!

彼の視線が葉辰に向けられた瞬間、葉辰の冷たい目も彼を射抜いた!

二つの視線が群衆を貫き、空気中で激しく震動した!

天を覆う殺気がぶつかり合い、目に見えない衝撃波が四方八方に広がった!

血梅殿の殺し屋たち全員が極限まで不快感を覚えた。

その時、戰濤が口を開いた:「血梅殿の殺し屋たちよ、全力でこの小僧を殺せ!」

一秒、二秒、三秒、誰も動かなかった!

誰があの悪魔に近づこうとするだろうか!

戰濤は面子を保てず、怒鳴った:「この小僧の首を取った者は、即座に血梅殿の長老に特別昇進させる!」

この言葉が発せられると、全員の目が熱を帯びた!

血梅殿の長老は血梅殿の強力な資源を享受できる!

修行の速度も極めて速い!

それだけでなく、一度血梅殿の長老になれば、暗殺の必要もなく、権力の喜びを味わうだけでよい!

その場にいる血梅殿の殺し屋たちで、そうなりたくない者がいようか!