第350章 阻止不可能!(3更!)

午前三時。

京城師範大學では、寒風が吹き荒れていた。

学内にはほとんど人影がなく、ただ一人の警備員が懐中電灯を持って周囲を巡回しながら、美女の生配信を楽しんでいた。

突然、強風が吹き荒れ、警備員の背後を黒影が一瞬で駆け抜けた。その速さは目で追えないほどだった。

肉眼では全く捉えられない速さだった。

警備員は体勢を崩し、手にしていた懐中電灯を地面に落としてしまった。拾い上げながら、「くそ、なんて妖風だ!夜勤はもう限界だな」と呟いた。

懐中電灯を握り直して数秒も経たないうちに、また一つの高速な黒影が現れた!

「ガチャン!」

今度は、警備員のスマートフォンと懐中電灯が共に地面に落ち、彼自身も転倒してしまった。

この瞬間、警備員は少し慌てて、懐中電灯を拾い上げ、周囲を照らしてみたが、影一つ見当たらなかった。

寒風が吹き付け、背筋が凍るような感覚に襲われた。

噂によると京城師範大學の地下には墓場があるという。まさか本当に幽霊が出たのだろうか?

警備員は身震いし、急いで警備室へと足を向けた。

その時、教職員寮では、後から現れた影が足を止めていた。

その人物こそ、今日江おじいさんと話をしていた中年男性だった。

江鎮業!

彼は江家の第一線級の強者で、実力は非常に高く、華夏宗師ランキングには名を連ねていないものの、その実力は十位以下の強者を打ち倒すに足るものだった。

彼は最初、部下を派遣して葉辰を始末しようと考えたが、よく考えた末、自ら赴くことにした。

彼はこの江家の孽子に対して、あまりにも興味を持っていた。

徽安省の多くの強者たちの手から域外の物を奪い取れるほどの実力は、決して侮れるものではない。

しかし、あの小僧は五年前の江城では無能だったはずだ。なぜ五年後にこれほどまでに変わることができたのか?

これが彼の最大の疑問だった。

今、彼は興味深そうに素早く動く黒影を見つめ、目を細めながら呟いた。「どうやら、江家だけでなく、他の勢力もあの小僧を生かしておきたくないようだな」

「あの影の速さから見て、侮れない実力の持ち主だ。あの小僧が今回どうやって生き延びるか、楽しみだ」

言い終わると、江鎮業も追跡を開始し、足元に勁気を纏わせながら教職員寮へと向かった。

……

この時、葉辰は迫り来る危機に気付いていなかった。