第412章 もう遅れられない！（2/10）

朱雅は百里冰の様子を見て、心が痛むほど心配になり、急いで百里冰の手を掴んだ。「冰兒、今は百里おじさんがまだ生きているわ。私たちに必要なのは感情を爆発させることじゃなく、百里おじさんを見つけることよ。今は冷静にならなければいけないわ。」

百里冰は頷き、何かを思い出したように葉辰に視線を向けた。

次の瞬間、「ドスン！」という音と共に、葉辰の前に直接跪いた。

「葉さま、この行が危険であることは承知しております。どうか父を救っていただけませんでしょうか。葉さまが父を救ってくださるなら、私は一生涯、牛馬のようにお仕えいたします！」

言葉が落ちると同時に、百里冰は地面に向かって頭を下げようとした。

葉辰はこの光景を見て、腕を軽く振ると、強大な気の波が地面から湧き上がり、百里冰を強制的に持ち上げた。

「跪く必要はない。お前の父は必ず救う。私と鄭仁決は既に敵対関係にある。鄭仁決は必ず殺す。お前の父と生存者たちも必ず救出する。言葉は要らない、中に入ろう。」

百里冰は美しい瞳に興奮の色を浮かべ、強く頷いた。「ありがとうございます、葉さま！」

葉辰は余計な言葉を発せず、地面から二つの普通の石を拾い上げた。

指で印を結び、霊符を凝縮させ、二つの古い文字を石の表面に刻んだ。普通の石から霊符の気が漏れ出してきた。

彼は二つの石を朱雅と百里冰にそれぞれ渡し、指示した。「この石を持っていなさい。危険に遭遇したら、この石を投げれば、いくらかの問題は解決できるはずだ。」

朱雅と百里冰は石を受け取り、疑問は残るものの、葉辰が無用な物を渡すはずがないことを理解していた。

二人は石をしっかりと握りしめた。

「ありがとうございます、葉さま！」

「もう遅れを取るわけにはいかない。早く中に入ろう。」

葉辰は斬龍剣を握り、奥へと向かった。

周囲には既に龍脈の気が漂っており、この龍脈の気の出現により、彼の輪廻墓地にある小型龍脈も震動し始めた。

同じ本源の力を持つ者同士、小型龍脈の興奮は、まるで同類に出会ったかのようだった。

葉辰は中が極めて危険であることを十分理解していた。現在の彼の最強の一撃は血龍と破天剣意の第一の剣の組み合わせだが、この一撃でこれほど多くの強者に対応するのは難しい。結局のところ、中にいる修行者の実力は周岩たちよりもはるかに上だった。