葉辰は黒い石が飛び出したのは、輪廻墓地が龍脈の力の一部を吸収するためだと思っていた。
しかし、唯一動かせるはずの墓碑が砕け散ってしまうとは思いもよらなかった。
今、これらの大能者たちが自ら出てきたのか?
殺戮道君、滄海平、そして今の陳天黎までもが自ら進んで出てきた。
しかも、この陳天黎が今出てきた理由は何だ?
今は危険な状況ではないのに、時間を無駄にするのは本当に損だ。
龍脈の気が絶えず陳天黎を包み込み、彼の背後の劍匣から数本の剣が一斉に飛び出し、瞬時に無数の剣影が閃いた。
彼の周りは無数の剣影に包まれているかのようだった!
その気勢は極めて強烈だった!
葉辰はこの瞬間、萬道劍尊というこの言葉の意味を実感した。つまり、この陳天黎は剣を道とする存在なのか?
陳天黎は龍脈の上に浮かび、絶え間なく龍脈の気を吸収し、彼の体からは金色の光が漏れていた。
徐々に、元々の虛影が実体化し、まるで葉辰の目の前に本物の人が現れたかのようだった。
陳天黎は目を閉じ、彼の体から放たれていた光が全て消え、渦巻いていた龍脈の気も完全に消失した。
龍脈に潜り込んでいた血龍の幻影さえも何かを感じ取ったかのように、わずかに頭を下げ、その姿に畏れているようだった。
「こいつは……」
葉辰が何かを言おうとした時、陳天黎が目を開き、一筋の冷光が放たれた!
無数の剣意が劍匣に戻り、すべてが静まり返った!
陳天黎は葉辰を見つめ、数秒後、口角に笑みを浮かべながら空を踏んで近づいてきた!
彼は空気を踏みしめ、何の障害もなく、瞬く間に葉辰の傍らに来た。
「若者よ、やっと会えたな」陳天黎は淡々と言った。「この龍脈の気は大いなる補給となる。本当にこの龍脈を持ち去らないのか?もしお前がこの龍脈を手に入れれば、修行の速度は極めて速くなる。お前にとって利益しかないぞ。」
「この世の万の法器の中で、恐らく輪廻墓地だけがこの龍脈を収められるだろう。この機会を逃せば二度とないぞ。」
葉辰は首を振った。「私は善人ではありませんが、数億の華夏の民の上に修行レベルを築くようなことは、できません。」