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首都空港。
葉辰は飛行機を降り、すぐに師範大學へと向かった。
出発前に江姵蓉にメッセージを送ったが、携帯の電源を入れても返信はなかった。
飛行機を降りてから何度か電話をかけたが、応答はなかった。
あの方の保証があり、母は確実に無事なはずだが、それでも心配で足を速めた。
十数分後、葉辰は教職員寮に到着した。玄関は半開きで、中から笑い声が聞こえてきた。
その笑い声は聞き覚えがあった。
葉辰がドアを開けると、中の光景に一瞬呆然とした。
母は修行をしているわけではなく、リビングで餃子を作っていた。しかも母一人ではなく、二人の絶世の美女がいた。
孫怡!夏若雪!
彼女たちが京城に来ていたとは?
江姵蓉は機嫌が良さそうで、ずっと笑顔だった。彼女は玄関にいる葉辰を一瞥して、「帰ってきたのね」と言った。
そして、それ以上の言葉はなかった。
江姵蓉は孫怡と夏若雪に全ての注意を向けているようだった。
何より今の彼女たちは甘い言葉を並べ立て、母を大笑いさせていた。
リビング全体が笑い声に包まれていた。
夏若雪は葉辰に気付いたようで、キッチンで手を洗い、美しい瞳を輝かせながら言った。「私たちも今朝到着したばかりよ。天正グループの事業の中心は一線都市にあるから、ここが本社として最適な場所なの。明日から天正グループは通常通り運営されるわ」
「あなたの銀行カードがいくらになったか、気にならない?」
夏若雪はにこにこしながら言った。彼女は葉辰がお金に興味がないことを知っていたが、その数字は男性にとって達成感を与えるものだった。
結局のところ、天正グループは江城から始まり、今までたった半年ほどの時間しか経っていない。
この半年間、多くの企業が生存競争を強いられている中、天正グループは既に華夏で最も収益を上げているグループの一つとなっていた。
夏若雪は葉辰に水を注ぎ、突然何かを思い出したように、美しい瞳で葉辰を好奇心に満ちた目で見つめ、「さっき綺麗な女性の隣人が来たわ。何か持っていたけど、私たちを見るとすぐに逃げ出してしまったの。おばさまが追いかけたけど、もう見えなくなっていたわ。彼女に電話してみない?」
夏若雪はその綺麗な女の子と葉辰に何か関係があると薄々感じていたが、特に嫉妬心は抱いていなかった。結局は葉辰の選択次第だと考えていた。
魏穎か?