京城、大元通りと京北大通りの交差点、西側。
壁と警戒線で封鎖された場所。
五、六人の男たちが外で警備をしており、冷たい目つきで全ての人を見つめていた。
ポルシェが門に入ると、数人の男たちが手を振り、車の窓が下がって後部座席の葉辰を見ると、すぐに笑顔を見せた。
「葉さま!」
「通してやれ!」兵士の一人が言った。
ポルシェが中に入っていき、荒れ地だったので朱雅は適当な場所に停車した。
葉辰が車を降り、周囲を見渡すと、瞬時に気の流れを感じ取った。
「ふむ?この場所は……」
葉辰は何か違和感を感じ、しゃがんで地面から石を拾い上げ、二本の指で軽く力を入れると、石は粉々になった。
同時に、数筋の霊気が漏れ出た。
「歴史的に、この地は多くのトップクラスの一族を生み出してきた。おそらくこの地の地勢が千雲扶揚の勢いを持つからだろう。古代なら、ここに住めば覇業を成し遂げられたかもしれない。華夏の気運は本当に不思議だ」と葉辰は呟いた。
彼はこの地の霊気が外界よりも強く、京城の江家の場所よりもはるかに良いことを明確に感じ取れた。
「母が言っていた通り、この土地は葉家を建てるのに最適な選択だ。ここに葉家を建てれば、少なくとも千年は一族を守護できる」
葉辰が周囲を一周すると、突然何かを発見し、表情を変えて急いである場所へ向かった。
朱雅も後を追い、驚いて尋ねた。「葉さま、この場所に何か問題でもあるのですか?」
葉辰は口角に笑みを浮かべた。「この位置は陣眼だ。ある意味で、この地は天然の大陣なんだ。ただし年月が経ちすぎて、華夏の霊気が希薄になり、陣法はほとんど損傷している。もしこれを修復できれば、この地は砲弾さえも通さないだろう」
朱雅は顔を青ざめさせた。葉辰の言葉の意味は完全には理解できなかったが、彼がこの土地にどうしても執着していることは分かった。
そのとき、一台のハマーが入ってきた。
ハマーが停まると、百里雄と百里冰が降りてきた。それだけでなく、数人の強者も後ろで警護していた。
「葉さま」
「準備を頼んでいた物は持ってきたか?」と葉辰が言った。
百里冰は頷き、急いで櫛を取り出した。これは彼女の母が消える前に残していったものだった。
百里雄は不思議そうに言った。「葉さま、櫛一本で本当に彼女を見つけられるのでしょうか?」