第522章 追及(五更)

彼の瞳には悔しさが宿り、何かを言いたげだったが、口に出したのはただ二つの言葉だった。「ありがとう。」

葉辰は江姵蓉を一瞥し、病床の老人に向かって言った。「あなたは私の祖父です。お礼を言う必要はありません。」

「過去のことは、もうこれで終わりにしましょう。」

この瞬間、葉辰の態度に老人の表情が凍りついた。

彼は震える手で葉辰の手を掴んだ。「何だって...今、私のことを何と呼んだ?」

彼は無理に体を起こそうとし、苦しさと痛みに耐えながらも歯を食いしばって頑張った!

「お祖父さん。」

葉辰は繰り返した。

彼はこの生涯でこの老人を認めることはないだろうと思っていた!

しかし、この老人は自分の命を賭けて母を救った。過去のことは水に流すべきだった。

それに、これが母の願いだということも知っていた。