第589章 主動から受動へ（一更！）

この瞬間、無数の視線が葉辰の身に注がれた。

返答を待っている！

皆の目には、この誘惑は断れないものに映っていた！

そして数秒後、葉辰は笑った。「お前の易寶閣の誘いには興味がない！それに、血風華は俺が欲しい人間だ！お前がまだ奴を守るなら、お前も一緒に殺してやる！」

なんだと！

この言葉が出た瞬間、易寶閣全体が静まり返った。

息をするのも忘れるほどに！

その場にいた全員が葉辰を食い入るように見つめ、まるで幽霊でも見たかのようだった。

沈石溪は口元を引きつらせ、怒りで血を吐きそうになった。

師匠は何をしているんだ！

確かに彼の背後には萬道劍尊と萬劍宗がついているが、ここが易寶閣の縄張りであることは明らかだ。

一度手を出せば、その結果は想像を絶するものになる！

長年、誰も易寶閣で騒ぎを起こす勇気はなかったのだ！

紀家のお嬢様でさえ、葉辰を見る目が変わった。

その眼差しは、この葉弒天という男が死を恐れぬ愚か者だと言わんばかりだった。

彼女は本来なら葉弒天を救おうとしていたが、今の葉弒天はすでに相手を完全に怒らせてしまった。どうやって救えばいいのだろう？

彼女は易寶閣の上階へと視線を向けた。

案の定、莊步凡は眉をひそめ、非常に不機嫌な表情をしていた！

大変なことになったな！

「葉弒天……私は……」

紀家のお嬢様が何か諭そうとした矢先、扇おじいさんの怒りの声が響いた。「葉弒天、どうやらお前は自分の置かれた状況がわかっていないようだな！」

「易寶閣の誘いを断るとは、死を求めているも同然だ！」

扇おじいさんは莊步凡の指示をよく理解していた。

葉弒天が断れば、即座に斬殺せよと。

このような天才が易寶閣のために使えないのなら、誰にも彼を所有する資格はない。

今、この若造がこれほど傲慢なのは、彼に手を下す口実を与えてくれたようなものだ。

葉辰は表情を変えず、気功を運用して傷を癒している血風華を一瞥してから、一歩一歩近づいていった。

「易寶閣は他の者にとっては敵に回せない存在かもしれないが、俺、葉弒天の目にはそれがどれほどのものだというのか。最後にもう一度チャンスをやる。どけ、さもなければ、古い借りも新しい借りも一緒に清算する」

この瞬間、葉辰の身から殺気が放たれた！

少しの恐れもない！