第20章 葉淇は学校の男子と付き合っている

陸厲沉は冷たい表情で、阮微微をちらりと見て、低い声で言った。「今後、彼女に近づくな！」

　　陸琴も急いで言った。「そうよ、微微、お兄さんの言うことを聞かなきゃダメよ！」

　　「ふん！」阮薇薇は不満そうに言った。「なんで兄さんはいつもあの葉淇の味方をするの？私こそ兄さんの身内なのに！」

　　「もういい、ふざけるな！」陸琴は阮薇薇の頭を撫でて、娘をなだめてから、陸厲沉に向かって言った。「厲沉、私とおじさんはM国の展示会に行くから、多分二週間ほど家を空けるわ。薇薇のことはあなたに任せるわね！」

　　陸厲沉は淡々と答えた。「わかりました」

　　「本当？やった！」阮薇薇はこの言葉を聞いて、嬉しそうに飛び跳ねた。

　　彼女は陸厲沉が大好きで、それは両親以上の好きさだった。

　　仕方ない、誰がイケメンでお金持ちの従兄を好きにならないだろうか？

　　唯一の欠点は、従兄のような素晴らしい男性の側に葉淇のようなあまな女がいることだった。

　　彼女は小さい頃から葉淇が嫌いだった。葉淇は彼女より綺麗で、成績も良かったから。

　　最も重要なのは、従兄が葉淇のことを彼女以上に好きだということだった。

　　阮薇薇は両親をちらりと見て、目をキラキラさせた。

　　ふん、今回両親が出かけるのはちょうどいい。葉淇をこらしめる良い機会だ。なんとかして彼女を追い出してやる！

　　翌日の朝。

　　葉淇は早朝に起きて身支度を整え、いつもと同じように学校へ向かった。

　　溫倩は遠くから彼女を見つけると、嬉しそうに駆け寄ってきた。「あら、淇淇、やっと来たのね。怪我したって聞いて心配で心配で！」

　　「大丈夫？問題ない？」溫倩は葉淇を上から下まで見渡した。「ほら、口の端にまだ少し青あざがあるわ......」

　　「ふん、誰を怒らせたのか知らないけど、人を困らせて従兄まで心配させて、自業自得よ！」近くで、阮薇薇も歩いてきた。

　　彼女は葉淇と同じく帝都大學の学生で、年齢も同じだが、専攻が異なっていた。

　　溫倩は阮薇薇が近づいてくるのを見て、嫌そうに言った。「阮薇薇、あんたに関係ないでしょ。誰もあんたに話しかけてないわよ」

　　「あっちに行って。あんたなんか見たくもないわ！」