第15章 葉淇が暴行を受ける

幼い頃に飲んだ牛乳が多すぎたせいだ！

　　あの頃、葉淇はおバカだったから、陸厲沉は牛乳を飲むと頭が良くなると言った。

　　だから葉淇は牛乳漬けで育ったと言っても過言ではない。

　　陸厲沉の目つきが少し柔らかくなり、葉淇に寄りかかってすぐに眠りについた。

　　バーの外で、蘇晚晴は二人の去っていく背中を見つめ、両手を強く握りしめ、黒い瞳に一筋の憎しみの色が光った。

　　どうやらこのバカを排除しない限り、彼女の心の中の棘は永遠に取れないようだ！陸厲沉と結ばれるのは難しい……

　　陸家に戻ると、葉淇と福おじさんは陸厲沉をベッドに寝かせた。

　　葉淇は目の前の陸厲沉を観察し、眉をひそめた。

　　彼の上着、ズボン、靴を脱がせ、義足も外し、消毒した後で、やっと布団をかけた。

　　福おじさんは二日酔い解消スープを用意させて持ってきた。

　　葉淇は優しく陸厲沉を起こし、「坊ちゃま、二日酔い解消スープを飲んでから寝ましょう」と言った。

　　陸厲沉は目を開け、目の前の少女を見て、言われた通りに口を開けた。

　　葉淇はボウルを受け取り、吹いて冷まし、スプーンで少しずつ陸厲沉に飲ませた。

　　スープが陸厲沉の口に流れ込むと、彼は無意識に飲み込んだ。

　　しばらくすると、一杯の二日酔い解消スープを飲み終えた。

　　飲み終わると、葉淇はボウルをテーブルの上に置いた。

　　彼女は長い間彼を観察し、布団をかけ直してから、やっと部屋を出た。

　　翌朝。

　　陸厲沉はすぐに目覚めた。二日酔いの感覚は最悪で、頭が痛かったが、自分がベッドで寝ていることに気づいた。

　　身に着けている服はきれいで、義足も消毒されていた。

　　昨夜は葉淇が彼の世話をしたのだろうか？

　　彼は薄い唇をきつく結び、起き上がって身支度を整えて出て行った。

　　葉淇が目を開けたときには、すでに8時だった。彼女は少し驚いて体を起こした。

　　彼女はいつも浅い眠りで、朝遅くまで寝ることはめったになかった。きっと昨夜陸厲沉の世話をして遅くまで起きていたせいで、寝坊してしまったのだろう。

　　彼女は急いで立ち上がり、身支度を整えてから、ドアを開けて出て行った。